3.04.2012


ちょっと情報古くてすみませんな感じですが、年末年始あたりに観た映画たち。



サルトルとボーヴォワール







すごく面白かった。アナ・ムグラリスの映画の中でも一番すきだし、彼女の雰囲気が役に合っている気がする(役によって雰囲気が変わらない人だから)。役者としてどうかはわからないけど、私は役者に限らず個性が強い人が好きなので彼女のことはとても好き。
後半のオールドミスなボーヴォワールの、ワンピースとストラップの靴とヘッドバンド(ターバン?)のコーディネイトがどれも可愛くて、服装だけ見るとわりとガーリィで可愛い格好なのに年増な彼女にすごく似合っていて真似したくなった。









グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独





クラシックではバッハがいちばん好きなので、グールドの録音はよく聞くけれど弾いているところは見たことが無かったし、でも好きな音楽を奏でる人がどういう人かには興味がある。

変わった人だとかナイーヴな人だとか、人は音楽家や芸術家に対してそういう形容詞をつけたがるけれど、少なくともこの映画を見る限り、グールドはわたしにとって全然普通レベル。
アーティストでない普通の仕事についている人でももっと変わった人たくさんいるし。
けれど、人となりを知ると音楽も、音ではなくて人が奏でているんだなと当たり前ながら認識するもので、そういう意味では期待通り。

バッハはチェンバロやパイプオルガンの演奏も教会にいるような気分で聞いているけれど、ピアノバージョンはもっと明快でクリア。特にグールドの演奏は頭の中がすっきりするような感覚がある。





ミラノ 愛に生きる




 
 



アカデミー衣装賞にノミネート?のラフ・シモンズの衣装というのがどんなかんじなのかな、と気になったし、ティルダ・スウィントンのミラノマダム役なんて素敵に決まってる、と思って見に行ってみました。
衣装に関しては、衣装そのものがどうというよりティルダ・スウィントンに似合ってる、っていうことに尽きたかな。でもティルダ・スウィントンが着れば何でもかっこいいから!!
(ケイト・ブランシェットも同じく。)
そして、ちょくちょく出てくるエンマ(ティルダ・スウィントン)の義母役・・・というにはあまりにも美しすぎ、迫力ありすぎの女優が、クレジット見逃したんだけど、絶対マリサ・ベレンソンのはず!!!イタリアのかっこいいお金持ちマダムはこうあるべき、というわたしの理想を完璧に体現してます。さすが。ティルダ・スウィントンと並んで見劣りするどころか、わたしはむしろマリサ・ベレンソンばっかり見てしまいました。
全体的にはひたすらにティルダ・スウィントンに見蕩れる映画で満足したけど、どのへんが「愛に生きた」ことになったのか、ちょっとよくわからなかったのはわたしの感受性のせいかしら??様々なかたちの愛に翻弄された女、って解釈でいいの・・・?日本語のタイトルはえてしてよくわからないこと多いから気にするべきじゃないよね。。




女系家族







はっはっはーと笑ってしまうくらいの陰謀渦巻き率。
京マチ子のわかりやすぅい、かつ穴だらけの微笑ましい悪役感より、次女鳳八千代が怖い。
大人しい顔しつつの強欲さ、ガメツさ、怖っっ!
女の欲は怖いが男の欲はセコい、そういうものかもしれないね。 
ラストは爽快。



女が階段を上る時








銀座の風俗史的にも面白いし、都合よく救われないラストも好き。
「生きる」って別にいいことないけど、生きてわたしは強くなる、みたいな諦めのようでいて前向きな終わり方がいい。
昔の人は心が強いよ。そんな昔でもないんだけどね・・・