2.07.2012



ファッションスクールの学生の成績審査に行ってきました(生まれてこのかた一度たりとも真面目な生徒であったことなどないわたしが講師として教壇に立っている、ということ自体、同級生諸氏から見ればコントのような光景であることでしょう)。
わたしは学生時代に非常に可愛げのない生徒で、先生方に対して、いったいぜんたいこのひとたちは何を基準に点数をつけたりああだこうだと言うのだろう、とずっと思っていたのですが(実際先生と怒鳴り合いの喧嘩をしたことも・・・日本の学校ではあり得ないですね)いざ自分が審査をする側に回ってみると、これが思った通り、本当に本当に難しい。
数学のテストのように回答があっての答え合わせではないし、自分の意見が自分の好みに由来するのかそれともファッション業界の一般論として、もしくは時代に則して(そもそもそんなものに明確なカテゴリーもないけど?)審査できているのか自分でも曖昧な部分がどうしてもあるし、そうなってくると、伝えるべき意見なのか、否か・・・ 例えば縫製に対する意見などは前例という解答がいくらでもあるので指摘しやすい部分だけれども、「この部分がバランス悪いのではないか」というようなある程度デザイン的な指摘は躊躇してしまう。こちらも人間なので解答がない以上100%自分の好みを評価から排除するのは難しいわけで。そうなってくると自分内で架空の一般大衆に多数決をとらざるをえなくなり、おそらく100人中75人以上はバランス悪いと感じるはず→GO 人によりけりかも→Don't say
みたいな戦いが起こる訳です。

兎に角、絶対に心掛けていたのはあらゆる好みに対して平等な目で審査するってことくらいかも。そして、どの先生も自分の中での基準に則して判断をしているでしょうから、できるだけ多くの先生に意見や評価を聞いた方がいいのでしょうね。 色んな好みや考え方の先生がいますしね。そして全ての先生の意見を取り入れる必要もないと思いますし。
かといって、他の先生方と話しをしたりしても、そんなに大きくは個々の評価って違わなかったりしたので、やっぱり暗黙の基準値があるなーと思ったり。
いや、でもほんとに難しかったです。皆がんばっていることはわかっているしね。